リウマチ情報館

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リウマチ性多発筋痛症(PMR)

リウマチ性多発筋痛症(PMR)とは、頸部・肩・臀部・大腿部の筋肉の痛みやこわばり、微熱・倦怠感などの全身症状を主な症状とする病気です。60歳以上の高齢者に圧倒的に多い病気で、女性は男性のおよそ2倍の発症率です。

日本の人口の高齢化に伴い患者数が増えると考えられます。リウマチ性多発筋痛症(PMR)の病因(病気の原因)は不明で、特定の診断法がなく、根治が難しい病気ですが、適切な治療で寛解状態を維持してコントロールが可能な病気とされています。巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の合併が無ければ基本的には予後は良好とされています。

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の症状

首・肩の周囲・臀部・四肢近位筋の痛みやこわばり感があり、これらの症状は左右対称に出現します。痛みのため可動域制限があり、特に「腕を上げる」「起き上がる」などの動作時に痛みが強くなるのが特徴です。また、夜間や朝方に症状が強いのも特徴です。 圧痛はありますが、この病気による筋力低下や筋委縮はありません。
これら筋肉症状に加えて、微熱、食欲不振・倦怠感・うつ症状・急速な体重減少などの全身症状を伴うことがあります。巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を合併することがあります。

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の検査診断治療

血液検査でCRP高値や血沈亢進などの炎症反応が認められますが、関節リウマチで認められるリウマチ因子などの所見がみられないのが特徴です。ですが、診断基準や確かな検査法など特定の診断法がありませんので、関節リウマチ・脊椎関節症・多発性筋炎といった他の膠原病や感染症・悪性腫瘍などとの鑑別をしながら総合的に診断が行われます。
リウマチ性多発筋痛症(PMR)と診断されれば、多くの場合は比較的少量のステロイド薬の服用で早い時期に劇的な症状の改善が見られます。非ステロイド性消炎剤は有効ではありません。ステロイドに対する反応が良好なため、薬の服用開始後早期に症状が改善し始めますが、薬の減量や中止によって再発することがあり、慎重に薬の量を減らしていくことになります。またステロイド薬の長期的な服用は副作用のリスクを高めます。骨そしょう症、糖尿病・脂質異常症などの代謝性疾患、高血圧、白内障・緑内障、うつ症状といった副作用があります。

リウマチ性多発筋痛症の合併症:巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

巨細胞性動脈炎とは、大動脈やその枝に起こる肉芽腫性の動脈炎で、特に浅側頭動脈(こめかみの皮下を走る側頭動脈)の病変により、側頭動脈炎とも呼ばれます。リウマチ性多発筋痛症の患者と同様に殆どが高齢者です。巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の患者の50%はリウマチ性多発筋痛症を合併し、リウマチ性多発筋症の20%前後が巨細胞性動脈炎(PMR)を合併するといわれています。
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の主な症状は、全身症状としての倦怠感・食欲低下・体重減少・発熱、頭痛、咬筋跛行(咀嚼時のあごの痛み)、視力障害(失明することもある)です。
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の診断は、リウマチ性多発筋痛症と同じく診断基準はなく除外診断になります。巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の治療では、大量のステロイド薬や免疫抑制剤の併用が必要です。リウマチ性多発筋痛症がコントロールされていれば、巨細胞性動脈炎の合併は少ないことから、リウマチ性多発筋痛症のコントロールが重要になります。

※PMR:Polymyalgia rheumatica
※四肢近位筋:手足の筋肉の中で胴体に近い部分の筋肉
※寛解状態:一時的または継続的 に症状が軽減した状態で、見かけ上消滅した状態であっても再発の危険性がある状態のことです。

 - リウマチの種類と特徴

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